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俺は一人でジタバタしている。
兄貴を味方につけ、真琴の告白を阻止する。
「ぜったいにダメだから!他の男と付き合うなんて、お前、兄貴の墓の前でよく言えんな」
「だって。お兄ちゃんの許可がないと付き合えないし。やっぱりダメだよね?」
「ダメダメ!バッカじゃねーの?一年で兄貴への想いが消えちまったのかよ」
「消えたりしないよ。お兄ちゃんへの想いは募るばかり……。でも、諦める。海渡がそんなに反対するなら、きっぱり諦めるよ」
「そ―そ―それが、正解!やめとけ!どーせ、ロクな奴じゃねぇんだから。もしかして、高校の上級生か?同じクラスの男子じゃねーだろうな」
「同じクラスだけど」
「うわ、誰だよ!?真琴に告るなんて、千年早い!」
「千年?私は妖怪か。お兄ちゃん、その人、口が悪くて、顔もイマイチで、性格なんて最悪で、本当にイヤな奴なんだよ」
「……は?なんだそれ?サイテーじゃん」
「だけどね。私に……ずっと優しくしてくれたんだ。その人がいたから、私は元気になれたの。それに……、思い出したんだ。子供の頃の約束……」
「約束……!?」
「お兄ちゃんが卒園して、幼稚園に行きたくなくて泣いていたら、その子が言ったの……。私、今まで勘違いしてたんだ。お兄ちゃんが私に言ってくれたと思っていたけど、違ったんだ……」
「……真琴」
「その子がね。『ずっと俺が真琴を守るよ』って……」
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