【3】君色

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 もより駅まで自転車を飛ばし、電車で霊苑のある街まで行き、二人でバスに乗る。  先祖代々続く高台の霊苑。  霊苑から、海が見えるんだ。  桶に水を汲みお墓に行くと、真琴が手際よく花をさしてくれた。 「どうして菊や百合じゃなくて、向日葵にしたの?」 「お兄ちゃんはね、向日葵が好きだったのよ」 「兄貴が?知らなかったな」  真琴は墓の前にしゃがみ込み、線香に火を点し両手を合わせた。 「お兄ちゃん。一年経ったんだね……。私、少しは大人になったかな……」  真琴が兄貴に語り掛けた。  俺は真琴の話しを聞きながら、両手を合わせる。 「お兄ちゃん。ごめんなさい。私ね……。好きな人が出来たの」 「えぇーっ!?」  あんなに泣いていたくせに、突拍子もない告白に、思わず奇声を上げズッコケた。
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