1ごっこ遊び編 

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「はー、やめやめ。もうグダグダ。」 私は素に戻り、顔の前で、右手をお兄ちゃんをあしらうように振る。 「じゃ、取り調べごっこしよう。」 お兄ちゃんが、どこからか、ライトを持って来て提案する。 「またごっこかよ!! まあいいか。 カツ丼食べれんの?」 かつ丼が食べれるならいいかもしれん。 「うん。いいけど、自分で払えよ?」 お兄ちゃんが、あきれた様子で言う。 「わかった。じゃ、『かつの子さいさい』にしとく。安い。」 私も頷いて見せる。 「『かつの子さいさい』のカツ丼美味しいよね。」 「そう?長所、安いだけじゃね?」 美味しくなくはないけど、すごく美味しいわけではない。 「わかってねぇーなー。 あの、店のおばさんと話す感じがさー。いいよね。」 お兄ちゃんがうんうんとしみじみ頷く。 「おばさんって誰よ!?」
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