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「はー、やめやめ。もうグダグダ。」
私は素に戻り、顔の前で、右手をお兄ちゃんをあしらうように振る。
「じゃ、取り調べごっこしよう。」
お兄ちゃんが、どこからか、ライトを持って来て提案する。
「またごっこかよ!!
まあいいか。
カツ丼食べれんの?」
かつ丼が食べれるならいいかもしれん。
「うん。いいけど、自分で払えよ?」
お兄ちゃんが、あきれた様子で言う。
「わかった。じゃ、『かつの子さいさい』にしとく。安い。」
私も頷いて見せる。
「『かつの子さいさい』のカツ丼美味しいよね。」
「そう?長所、安いだけじゃね?」
美味しくなくはないけど、すごく美味しいわけではない。
「わかってねぇーなー。
あの、店のおばさんと話す感じがさー。いいよね。」
お兄ちゃんがうんうんとしみじみ頷く。
「おばさんって誰よ!?」
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