1人が本棚に入れています
本棚に追加
「うわぁ。流石ゲスいわ。俺だってそこまでしないわ。人の物奪っといて、自分の利益にしようなんて、流石、姫奈乃さんだわ。
つか、だったら、俺が、お前の飴食べたぐらい、いいじゃん。それに、いつも、レモン味の飴ばかり。俺は新しい風を妹にもたらそうとしたわけだよ。分かるかい?この、兄心。」
お兄ちゃんは人差し指を一本立てて、私を説得しにかかった。
「わかんねぇ―から。行くぞ。『財布』」
私はお兄ちゃんの首根っこを掴んで歩き始める。身長差があるから、引きずり始めるのに時間がかかる。
「え、今、俺の事、財布って呼んだ?ねぇ。」
お兄ちゃんは、私の腕から抜けて私に詰め寄る。
「姫奈乃ちょっとよくわかんなーい。」
私は、声を高くして首を傾げた。
言ったが、自分の女の子のまねの気持ち悪さに、
「うぉおおおえぇええ」
吐く真似をした。いやれっきとした女の子だけれども、可愛いのは性に合わない。私のそういう面を知らない人には、女子力が高いと思われているが、中身はおっさんだ。今テレビに映った、美女にデレデレなおっさん。そう、あなたは同士だ。その気持ちよくわかるぞ。
最初のコメントを投稿しよう!