霧島愛 << はじまりのはじまり >>

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 いつもの休日、いつもより遅く起きて、いつもと同じ様にだらだらと過ごす予定だった。  いきなり目の前が真っ黒になって、気が付いたら薄暗い所に横たわっていた。足を伸ばすと何かに触れた。人だ。足元に私と同じ様に倒れている人がいた。ゆっくり上半身を起こしながら辺りを見渡すと他にも人が沢山いるのが分かった。  私はとある機関の組織に大勢の人達と一緒に閉じ込められたと分かった。こんな事が出来るのはそれしか考えられない。最近やたらと私の生活に介入してくるとは思っていたけれど、何が目的なのだろう。最初は誘拐を疑ったが、それにしては人数が多い。 「なあ、俺達ランクDの集まりだろ?」  近くにいた男の人が言った。 「俺もランクD。能力は『相手が能力者かどうか分かる』だ」  それを聞いた周りはざわつき始めた。
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