6人が本棚に入れています
本棚に追加
「このブースに居る皆さまはお気付きのようで」
薄暗かった部屋に明かりがついた。スピーカーからはハキハキとした声が流れる。
よく見ると何処かの学校の体育館の中に私達はいた。
「君達を拉致するのはとても簡単でした。上位ランクの人達なら、さぞかし苦労したと思いますけどね。さすがランクDの諸君だ」
壇上にはキグルミを着た人が立っていた。マイクを持っているので声の主だろう。
ふざけたキグルミだった。マレーグマに似ていた。
「なんか俺達バカにされてないか?」
たまたま隣りにいたおじさんが私に話しかけてきた。スーツを着ていて、40代くらいの人だ。
さっきの相手が能力者かどうか分かる人だ。
「おまえ誰だよ!」
「ここどこ?」
「私達をどうする気?!」
周りの人たちがパニックを起こし始めた。
「お黙りなさい!」
キグルミは言った。
「君達程度の人間は、僕には敵いませんよ。僕はスーパーキグルミなんだから」
キグルミは逆らったら承知しませんよと付け加えたが、どうするつもりなんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!