◇ 片恋スーパーノヴァ

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「壮ちゃんみたいに、なりたいな」 「俺?」 壮ちゃんは目を丸くした。 「バスケが好きで、プレイヤーとして生きたいけれど、技術的にプロにはなれない。でも携わりたい。だから、勉強しに行く。そう自分で自分を理解できるって、すごいと思う」 言い終わると、壮ちゃんは照れた笑顔で頭を掻いた。 「……あらためてそう言われるとなんか、恥ずかしいんだけど」 「そんな風に、わたしもがんばりたい」 素直にそう思うのだ。壮ちゃんみたいになりたい。わたしの伝えられない想いは、そう言うだけで精一杯。 「愛生は、ちゃんとひとのことを見ているのな」 褒められちゃった。嬉しい。誰でもいいわけじゃないよ。壮ちゃんだから、見ているの。壮ちゃんのことだから、分かりたいの。 同じ歳で、生まれたかったな。そして幼なじみじゃなければ良かった。バイト先で出会って、壮ちゃんの彼女になりたかった。 ぎゅっと目を閉じて、涙を我慢するのが癖になったよ。 「大丈夫だよ。愛生は、ちゃんとやれるよ」 クシャッと笑って、わたしの頭をガシガシと撫でてからまた前を歩いた。ちゃんとやれるのかな。 壮ちゃんがいなくなっても、わたしは、大丈夫なのかな。ああ、やっぱり。わたしは。 「壮ちゃん、わ、わたしっ」 駆け寄ろうとしたそのときだった。凹凸の無い地面に靴が引っかかる。なぜ。体勢を立て直そうと思ったが遅かった。上半身だけが前に進もうとしてバランスを崩す。顔を守ろうとして反射的に両手を前に出した。
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