フライングキス 【祐太編】

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「裕ちゃん、話って。え、奥田先輩、なんで ここに?」 二日ぶりに見た泉は、今日も可愛かった。 副会長に気付いて驚いている。 「揃ったところで、副会長、早速だけど 聞いてください」 正面から向かい合い、副会長の目を見て言う。 「俺は二日前、井上泉にキスをしました。 彼女のことが好きだから」 「ふうん……。どうしてそれをわざわざ僕に? 黙っていれば波風立たないで済むのに」 好奇心いっぱいの目と、面白がるような口調で 副会長が聞いてくる。 「泉があんたに対して、後ろめたい思いを しないように。彼女は避けようがなかった。 俺が無理矢理したことだ。だから……」 「裕ちゃん!」 『俺を殴ってくれ』 そう言おうとしたのに、それまで黙って 聞いていた泉が、突然俺の胸に飛び込んできて、 言いかけた言葉が途切れてしまった。
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