フライングキス 【祐太編】

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「ごめんな、泉」 「それは何に対してのごめんなの?」 「俺、フライングしたから」 ハテナをいっぱい浮かべた顔で、泉が俺を 見上げてる。 「好きだって言う前に、キスしただろ?」 「え、でもっ、あれは、嬉しかった、し……」 あの時のことを思い出したのか、泉は瞬く間に 頬を染めた。 詰まりながら、消え入りそうな声で言う。 ああもう、想いを伝え合った後に、その顔は 反則だ。 「おまえ、初めて、だっただろう?」 「あたりまえじゃない。裕ちゃん以外の 人なんて……」 「やり直しさせてくれ」 「え、あのっ、ゆうちゃ……」 「黙って」
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