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この突然の感情には自分でも驚いた。
が、その日から何度も同じような症状に
みまわれ、さすがに俺もそれが何を意味
しているか悟った。
妹のように思っていたはずの幼馴染みに、
俺は恋をしている。
きっとそれは、昨日今日始まった想いではなく、
ずっと心のどこかで育っていた想い。
ただ、自分では気付いていなかっただけ。
気付いてしまったからには、もう以前の俺には
戻れそうになかった。
この想いを告げるべきか否か。
それが今の俺の最大の悩みだ。
なにしろ泉ときたら無邪気そのもので、子供の
頃と同様、俺を兄としか見てないように思える。
そんな泉に、俺が突然、好きだと告白
なんかしたらどう思うだろうか。
そんなことを考え、告白を躊躇っていた。
けれど、男として泉を求める気持ちは
日に日に大きくなっていて、いつまで
押さえておけるかわからない。
悩みながら、とりあえず気持ちを抑えて、
以前と変わりなく振る舞う毎日だった。
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