がんばれ、タコ神様!

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「……タコリングは?ねえ、リン、タコリング食べたい」 リンちゃんが少し冷たく言いました。 マスターは何もいわず聞き耳をたてながらテーブルをふいています。 「ねえ、タコリング」 「ま、待ってください!!」 リンちゃんにものすごくつめたく言われてタコは焦りだしました。 「私は今日も出勤なのに妻が友達親子と出かけるのに車がいるからと私のきんとうん(愛車)に乗っていってしまったので仕方なく自転車()で風のように流れていたらそこの木にひっかかってしまって身動きが取れなくなったんです。」 「そんなの知らないよ」 「更に今朝は娘のシロップ薬をコップにうつそうとして椅子に腰かけたら思いのほか勢いがあったようで椅子の足が浮き、その浮いた椅子の足で自分の足の小指の爪先を挟んでしまう。という地味なくせにすごく痛い目にあったんです」 「それは地味にいたいね。でもそれとこれはべつ。あなたが言ったんだよ?なんでも一つ願いをかなえるって」 そこへ百人一首を持ったみずきと、ちょっと大きすぎるダーツの矢を抱えたさらさちゃんと、縛られたゲタンワくんを抱えたたばさちゃんがやってきました。 「あ!!ほら!なにやら楽しそうですよ!でわ、私はこれで!!」 そういうとタコは逃げるように消えてしまいました。 ……タコ神様は今日もがんばっています。 完。
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