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マスターがちがうお客さんにイカリングとタコ墨風サイダーを出していると、カランカランとお店のドアが開き、リンちゃんが元気よく帰ってきました。
「マスター!これ!これでタコリング作って!!」
リンちゃんは手に持つモノをマスターに差し出します。
けれど、
「う、うーん。それではタコリングはできないかな……」
マスターは首をひねって言いました。
「どうして?」
リンちゃんはかなしくなりました。
マスターはとてもこまってしまいました。
「だって……それ、タコはタコでも凧ですから」
そう、なぜかリンちゃんは1メートルくらいの大きな凧を持っていました。
「え?違うよ?」
マスターに言われ、リンちゃんがきょとんそした顔で凧をひっくりかえしました。
すると……
「いやー、ありがとうございます!おかげで助かりました。」
凧にたてもよこも50センチくらいの蛸がひっついていました。
マスターは「えぇっ!?」と、とてもびっくりしました。
「そこの窓からこのタコのタコさんがずっと木にひっかかってるのが気になってずっと見てたの!」
「おじょうさん、タコが木になり気になっていてくれてありがとうございます」
にこにこと話すリンちゃんに、なぜかかじられたような形になっている足?を合わせ拝むタコ。
「助けていただいたお礼に何か願いを叶えてさしあげましょう!!」
「ほんとに!?」
リンちゃんはすごくうれしそうですが、マスターはあいた口がふさがりません。
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