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気が合う合わないというのは、多分ギフトみたいなもので、突然、それが訪れる機会がある。
長年一緒に過ごしてきても、どうしても合わないという不幸な現実もある。
つい先日、俺とサヨナラした麗子のようにね。
最初は深く愛し合っていても、生涯を共にできるパートナーだと思っていても、付き合いはじめて寝食をともにすると、一夜一夜づつ現実が見えていくことがある。
そいつは単なる錯覚だってね。
それが不幸のはじまりってやつさ。
あとはいつお互いがお別れを切り出すのか、そのゲームがはじまるのさ。
俺は本当にそのゲームにうんざりしてしまって、帰宅時間が延び延びになり、麗子は麗子でさっさと床についてしまう。
飯の支度なんてとんでもない。
俺が何を齧っていようがおかまいなしさ。
え、その隙に別の女と乳繰り合っていたんじゃないかって?
なにかあれば、すぐそういうゲスの勘繰りってやつを発動させるやつがいるが、俺が言える言葉としてはそんな間抜けは奥歯まで引っこ抜かれたって文句は言えないということだけだ。
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