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俺と麗子がくだらないゲームに興じているころ、彼も自分の奥さんと同じようにギスギスした緊張感のただよう不快なゲームに身を投じていたってことさ。
まあ結果としてこうなっちまったのは、不本意だけど納得はしているよ。
サヨナラの理由? おかしなことを聞くね。
ここまで話を聞いてるとわかるだろう。論理的帰結としてそういう事なのさ。
彼は妻を愛していなくて、俺も妻を愛していない。
そして俺と彼とはほんのささいなきっかけだったが、強い信頼関係で結ばれているということさ。
だからって、そいつとこいつは無関係な話さ、そうだろう。
彼が麗子を殺したのは、本当に驚いた。
だけど俺が何を知ってると言うのさ。
俺はよく彼女の愚痴をこぼしていた。
だけど、殺してくれなんて一言もいっちゃいない。
彼はすごく、なんていうのか、俺のことを考えてくれていた。
俺が自由に羽ばたける手段を一番考えてくれている、最良の友だった。
だからってそんな手段にうってでるなんて、考えるわけがないだろう?
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