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乗用車にひかれた私は3カ月の間、昏睡状態になっていた。その間、家族が色々と世話をしてくれていたらしい。
医者からも目覚めないかもしれないといわれていたそうだが、奇跡的に回復したらしい。
家族は泣いて喜んだが、私は嬉しくなかった。あの幸せな天国から、厳しい現実に戻されてしまったわけだ。
もどりたい、あの幸せな天国に戻りたい。リハビリをしながらも私はそのことばかり考えていた。
「自分で命を絶つのはだめだからな。」神に言われた以上、自分で死ぬことはできない。
そう考えた私はリハビリが完了した後に、命を落としやすい場所に行くことにした。そうとても危険な仕事、傭兵だ。
彼は何度も何度も自分の命を顧みずに死地に赴いた。
最初は平和な世界に慣れ親しんでいた彼にとって戦場とは過酷で死と隣り合わせとなっていたが、彼は他の兵士と違って死を
受け入れていた。
死ぬ覚悟が出来ている人間とはとても強い、彼は死を恐れず千を超す敵にも、万を超す銃弾にも恐れをなさず立ち向かっていった。
そんな彼は過酷な任務でどんどん戦果を挙げていった。
敵地の奥深くに潜入して大量の敵に囲まれながらVIPを救い出すこともあれば、敵の大群に囲まれた村を守るためにわずかな味方と
ともに銃弾の雨をかいくぐったこともあった。
さらに彼は公にできない作戦も遂行した。無抵抗な市民に発砲することもあれば降伏した敵を命令とはいえ惨殺したこともあった。
すべてはさらに過酷な戦場に行き、天国に行くためだった。
しかし、彼は死ぬことはできなかった。
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