WEDDING TABOO

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女には不自由しない程にモテる智春が31になっても実家暮らしで未婚。 智春はいつも冗談のように『紗奈が嫁に行くまで俺が面倒見てやるからな』と言っていた。 私はその言葉に少しだけ傷つきながらも『そんなの待っていたらお兄ちゃん、あっという間にお爺ちゃんになっちゃうよ』と返していた。 両親がいる間はお互いの気持ちを隠しながらも本当に仲のいい兄妹を演じて来たのに──……。 「紗奈……もっと力、抜いて」 私の初めては智春によって摘み取られた。それは私が長年抱いていた願望が叶えられた瞬間だった。 初めての行為から私たちは家の中では兄妹という肩書ではなく恋人という関係で月日を重ねて行った。 人には秘密の禁断の関係という状況がより一層愛欲に溺れた日々を送らせた。 だけどそんな濃厚な日々は2年で終わりを迎えた。 私たちを取り巻く環境がふたりきりの世界をいつまでも続けさせてくれなくなったのだ。 智春は弁護士として活躍の場を広げれば当然ついて回る結婚に関する事象に悩むようになっていた。 そして私は看護師になるという夢を叶えるために大学に行き、それに伴い世界が広がって行った。 次第にすれ違う時間が増えて行き、そのことに不満を持った私は兄に対してそれを爆発させた。
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