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青の兆候
目が覚めると、青だった。
壁も、天井も、タオルケットも、部屋に置かれている家具も、自分が着ている寝間着も、なにもかもがペンキをぶちまけたような青で塗りつぶされていた。
窓の向こうの景色も、空も、きっとあれが太陽、きっとあれが雲、一切合切のすべてが全部、青になっていた。
ボクは、これは夢なんじゃないかと思った。
もう一度寝ようと思って、ベッドに入って、目をつぶってみた。
なんとも眠れない。
一〇まで数えてみた。
やっぱり眠れない。
変に気持ちが高揚しているらしい。
目を開けてみた。
天井は、やっぱり青。
壁も、タオルケットも、やっぱり青。
あれ?ボクは?
両腕を天井へ向かって伸ばしてみた。
あれ、なんだか青白い。
昔のアニメに出てくるような、冷ややかな宇宙人のそれのような色に近い気がする。
ボクは慌ててベッドから飛び起き、姿見の前に立ってみた。
ああ、やっぱり、ボク自身も青白くなっている。
嘘だ。疑いたい気持ちが大きくなって、青白くないところを探したくって、寝間着を脱いだ。
パンツ一丁になったけれど、どこもかしこも青白い。
思い切ってパンツも脱いだ。
ああ、裏側までもが青白い…。
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