リピート ファースト キス

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リピート ファースト キス

友里恵(ゆりえ)、最近何かあった?」 「ん? 何かって何?」 お昼休み。 お弁当の蓋を開けていた私に、前の机をくるりと回転させてくっつけようとしていた美和(みわ)がそう声をかける。 「喧嘩でもしたの? 大夢(ひろむ)くんと」 「……ぐ」 「あんたと大夢くん、よく一緒に登校してたじゃん。それなのに最近友里恵一人で学校に来るし、廊下で大夢くんとすれ違ってもぎこちないし……あ、もしかして別れた?」 「そ、そういう訳ないではないんだけど」  大夢くんは、一か月前に付き合い始めた、私にとって初めての『カレシ』だ。クールで背が高くって頭がよくって、同年代の男子よりも落ち着いていて……眼鏡の奥に見える瞳が優しげで……私にとって、【高嶺の花】みたいな人。一度も同じクラスになったことのない大夢くんに近づきたくて彼と同じ図書委員会に入って、少しずつお話をする回数を増やしていって……ダメ元で告白してみたら、まさかのOK! その晩は嬉しくって嬉しくって中々寝付けなかったのを今でもはっきり覚えている。     
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