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「そんなに時間作って逢ってくれてたのになんで短期間でわかれちゃったんですかね?もしかして話題作りとか?」
「──…!」
自分が溢した砂糖に腹が煮えて言ってしまった。
“確かにこのまま付き合ってもいいかなって思ったよ”
──…っ
“…でも今は晶さんに夢中じゃんっ!”
……そうだよ、今はあたしのこと大好きなんだから…
「……ちょっと…っ」
舞花は呟いた。
「ちょっと距離置いてるだけよっ…」
震える囁きにあたしはカウンターの流しから顔を上げた。
悔しそうに唇が歪んでいる。あたしの言った言葉は強気を装った彼女の痛い部分を一撃にしたらしい。
ほら…だから毒を吐かないようにしたのに…
彼女は震える唇を必死に動かす。
「あたしの演技が上達するまで距離置いてるだけっ…上手くなったらほんとの恋人になるって言ったんだからっ…」
「──……」
ほんとの恋人?
なにそれ…
舞花の言葉にあたしは思わず顔を強張らせた。
「それまで距離を置いてるのっ…聖夜はあたしのために少し離れてるだけっ…」
「ふ……それも別れる前の話しじゃ意味な…」
「今の芝居の稽古付けてくれてる時に言ったからっ──…」
「……──」
「今のドラマのヒロイン決まった時に言ったから…っ」
「なに…それ」
お思わず胸の呟きが口から出ていた…
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