13章 疑惑の波紋

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・ 切り出したいのはなんの話しなんだろう。取り合えず自分も付き合ってたってことを言いたいんだろうけど…… 正直な話、あんたのはやらせじゃんっ! 二週間でめでたくendじゃんっ! そんなのは付き合ってたんじゃなくて行きずりの関係と変わんないじゃんっ! ありったけの言葉を胸の中で投げつける。 もし口に出してしまったら止まらなくなっちゃうから… あたしは毒を自分で必死に飲み込んでいた。 「でも芸能人の仕事が忙しいなんてただの口実よ?聖夜は芝居が上手いから前撮りして結構プライベートの時間作るの上手だし。……あたしのためにもそうやって逢う時間作ってくれて逢ってたし…」 だから何が言いたいっ? 「あなたには時間作ってくれないんだ?」 だからほとんど一緒に居るっつーの! 舞花が聖夜との付き合いをほのめかす度に自分のほうが上だと内容に勝ち誇れる。 勝ち誇れるのだけどシュガーポットを補充する手が乱暴に砂糖を掬ってしまう。 カウンター内の手元は砂糖が散らかっていた──
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