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last chapter 愛スル者ヘ
「俺にとって、井伊とはお前そのものだった。
そして、お前は俺の希望だった。
俺の命に代えても守りたい宝だった。
だから、生きてくれ。
俺のために。
お前を永久に愛している。」
この世で一番愛しい男はそう言った。
別れる前の日だったっと思う。
まるで、そうなることが分かっていたかのように、しっかりとそう言ったのだった。
「戯言に御座います。」
といつものように誤魔化してしまえばよかったのに。
何故、今になって正直にいうのだろうか。
最後まで闇で覆い隠しておけばよかろうに。
もう遅いのだ。
我の声は届かぬのだから。
そなたがいれば、何もいらぬのに。
この卑怯者め・・・
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