ep3 覚醒ト決意

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だが、 小野という家に生まれついた運命(さだめ)というのだろうか、 父の政直は、 政次の細やかな幸せさえも奪おうとしていた。 「次郎様を犯せ。」 元服の儀式を終え、宴の席でのことだった。 横に座った父が政次の祝いの盃に酒を注ぎながら囁いた。 「父上、今、何と申されたのですか?  酔うてしまったようで。」 とんでもない言葉を耳にしたような気がして、 思わず聞き返してしまった。 「間違うてはおらぬ。  こう申した、次郎様を犯せと。」 美酒に酔い、心地よく痺れた頭が一気に冷えた。
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