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電車を乗り継いでから1時間30分、ようやく目的の街に到着した。 そこからバスに揺られること数十分、窓から見える景色は、都会では見ることができない、緑一色の世界に変わってゆく。 バス停から坂道を歩いてゆくと、木洩れ日の輝きの中から、小鳥のさえずりがこだまする小さな木々のトンネルをくぐり抜けた。 すると、その先に見える丘の上には、思わず目を疑ってしまう、まるでお城のような真っ白な校舎が現れる。 「 綺麗… 」 ここが今日から私の通うこととなる、憧れの東ヶ丘高等学校なのです。 白い階段を駆け上がると、大勢の新入生達でいっぱいの校門を通り抜け、校庭脇のレンガの歩道を進むと、ようやく玄関が見えてきた。 着いた!…はぁ…長い道のりだった… 休む間もなく玄関から階段を昇ると、二階のホールにあがり、受け付けの上級生の人から大きな封筒を受けとった。 私はその中から、クラス名簿を真っ先に取り出すと ( え~と…さんずい…わたる…わ・た・る ) 1組の名簿を端から端まで指でなぞりながら、お目当ての漢字を探す。 しかし… その文字を見つける事は出来なかった。 何回見直しても…やはりその字は無い… ない! 「 はぁ… 」 私はその場にひざまずき、思わず天を仰いでしまった。 「 くるみ!?… どうしたの? 」 ーーアナウンスーー 『 新入生の皆様、クラス分け名簿の確認ができましたら、各自教室でお待ち下さい・・もう一度繰り返します・・・ 』 「 な、何でもない…それじゃ、お母さん、私、1 組だから、教室に行くね 」 私のクラスは1年1組だった、席は廊下側の前から3番目、隣の席の女子以外、周りの席はみな男子生徒ばかり。 それもそのはず、もともとは男子校で、数年前から共学になったため、女子生徒の比率は低い、1クラス30人中、女子は私を含めたったの5人だけなのだ。 まだ、来ていない生徒がいるようで、窓ぎわの席がひとつ空いていた。
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