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入学式はおとーさんもおかーさんも来て、クリスの胸ポケットでキリッと頑張った。……おとーさん達、後ろの席だからぼくの事、見えないって後で気がついた。
「はい、じゃぁそっちの席から順に自己紹介しなさい」
「クリスー、じこしょうかいってなぁに?」
「聞いてれば分かるよ」
クスクス笑われた。みんな知ってるのか。
「1番、アレクです。よろしくお願いします」
「2番……」
なるほど。
番号と名前を言ってよろしくお願いすれば良いのか。次はぼくの番だ!
「11番! ミノルです! よろしくお願いします!」
「12番、クリスピンです。ミノルの弟です。よろしくお願いします。」
ざわざわざわざわ……
「ミノルを見づらい席もあるから、前に出てきてくれるか?」
「はぁい!」
先生に言われてクリスが前に出て、ポケットに入っているぼくを取り出して肩に乗せた。
「11番のミノルです! 小さいけどクリスのお兄ちゃんです!」
「ちっちゃ!」
「小人!?
「なにそれ!?」
「はーい、静かに。ミノルは小さいけどちゃんとした生徒だから仲良くするように。クリスピンが付いてるから大丈夫だと思うが、何かあったら手伝ってやってくれ」
「「「「はーい!」」」」
休み時間にたくさん話しかけられてびっくりしたけど、クリスにくっついてたから怖くはなかった。
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