その1

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入学式はおとーさんもおかーさんも来て、クリスの胸ポケットでキリッと頑張った。……おとーさん達、後ろの席だからぼくの事、見えないって後で気がついた。 「はい、じゃぁそっちの席から順に自己紹介しなさい」 「クリスー、じこしょうかいってなぁに?」 「聞いてれば分かるよ」 クスクス笑われた。みんな知ってるのか。 「1番、アレクです。よろしくお願いします」 「2番……」 なるほど。 番号と名前を言ってよろしくお願いすれば良いのか。次はぼくの番だ! 「11番! ミノルです! よろしくお願いします!」 「12番、クリスピンです。ミノルの弟です。よろしくお願いします。」 ざわざわざわざわ…… 「ミノルを見づらい席もあるから、前に出てきてくれるか?」 「はぁい!」 先生に言われてクリスが前に出て、ポケットに入っているぼくを取り出して肩に乗せた。 「11番のミノルです! 小さいけどクリスのお兄ちゃんです!」 「ちっちゃ!」 「小人!? 「なにそれ!?」 「はーい、静かに。ミノルは小さいけどちゃんとした生徒だから仲良くするように。クリスピンが付いてるから大丈夫だと思うが、何かあったら手伝ってやってくれ」 「「「「はーい!」」」」 休み時間にたくさん話しかけられてびっくりしたけど、クリスにくっついてたから怖くはなかった。     
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