4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
圭一の手紙
俺は、お前と駆け抜けた日々を今でも覚えている。
俺にとってお前は、青春そのもの、いや、人生そのものだった。
飛び上がって喜んだ日、悔しくて夜も眠れなかった日、今でも一度たりとも忘れたことはない。お別れしてから9ヶ月になるけど、今でも俺はお前には感謝しているんだ。今でも……大好きだ。
じゃあどうして別れたのかって?
俺が、俺の人生を生きるためだ。
そりゃあ周りからの反対も理由のひとつではあったよ。お前にべったりな俺をみると周りはみんな悲しんだし、傷ついていたからな。でももうこの際、周りは関係ない。お前とべったりしていると、俺は俺の人生を生きられなくなる。仕事、家族、趣味……今、俺には大切なものが沢山ある。お別れするのはとても辛かったし、俺は今でもお前のことは大好きだし、たまーーにお前の元に舞い戻りたいこともあるけど、それでも俺は別れて良かったんだな、と思ってるんだ。
だから、俺が万が一お前の元に戻ってしまっても、全力で追い返してほしい。ま、お前のことだ。きっと追い返してはくれないだろうけどな。だから、1日1日、お前の元に舞い戻らないように地に足をつけて生きることにするよ。
10年間ありがとうな。そして、さようなら。
藤家圭一
最初のコメントを投稿しよう!