夏の夜の手伝い

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 しばらく彼を抱きしめてから元の道ばたに戻ると、そろそろ東の空が白み始めるころだった。  手のひらのキャップはなくなっていた。  当面の役割を果たしたのだろう。  次の遺失物に出会う夜を探して、私は朝の街に起きていかなければならない。  今日の夜はどこの誰のもとへ行くのだろう。  また男の子のところかもしれないし、女の子のところかもしれない。  彼らの夜明かしを手伝うための温もりを、私は日差しの中から持ち帰り続けることができるだろうか。  私は少しばかりの危惧を抱えたまま歩き出し、陽の目覚めに赤く溶けた。  もし私が何か大きすぎるものに吸い寄せられて、空色のキャップに閉じ込められたときは、今日みたいに、あなたが私を見つけにきて。  生きていていいよって、欲しがっていいよって、私に言って。  目覚めた私が、再びそう言えるようになるときまで。
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