サヨナラノ言ノ葉

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田んぼの近くにあった民家の側で、二枚の札をビリビリに破って風に乗せた途端に、灰になってすぐに消えてしまった。 切ないような安心したような複雑な気持ちで、神社の方を振り向いて唖然とした。 階段も鳥居も神社も全てなくなっていて、森が広がっているだけで、何もない…。 「嘘だろ…蓮香、比良坂、菊水さん…ミチトシ!ミチトシ!!」 こうして俺の不思議な夏の一日は終わって、季節は秋へと向かい、俺も日常に馴染んだ頃、何と転校生がやってきた。 「菊坂 倫寿(キクサカ ミチトシ)です、よろしくお願いします」 ミチトシ!? あっ、蓮香だ!! 何で?どうして!? 何度も瞬きを繰り返していると、俺の横を通りすぎる時に蓮香…いや、倫寿があの日のように笑った。 「バーカ♪」 その言葉に自然と笑みがこぼれてしまう。 さよならはこの出会いの為の必要なステップ。 でも今度はさよならなんてしないで、共に歩けるそんな道を進もうな倫寿!
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