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あれ?確か神社で夏祭りがあるって…｡
一番近い神社かと思っていたけど､もしかして別の神社かな?
また暑い中､歩かないといけないのか｡
ヒグラシの声も清涼感より蒸し暑さを助長させる方に作用していて､額に浮かぶ汗を腕でぐいっと拭う｡
鳥居をくぐろうとした時､涼しい風が吹いて僅かに暑さを忘れた｡
そこまではよかった｡
次は暑さよりも不可解なできごとに寒気が走った｡
何故か鳥居から出られない…｡
いや､正確に言うと､出られるんだけど､気が付くと鳥居の向こうから涼しい風が吹く状態に戻っている｡
今までこんな不思議体験はしたことがないし､そんな夏の心霊特番も見たことはない｡
別に危険ドラッグをキメてるワケでもないからな!
狐とか狸に化かされているとか?
いやいや､そんな非科学的なことは今のご時世ないでしょ?
大半は科学的根拠があっての現象だって説明されているくらいなんだから｡
ここで何度も出ようとしたって､また同じ状態になるだけ｡
もしかしたら神社の人がいるかもしれない｡
何か分かるかもしれないし探してみるか｡
社務所があるはずだと思って､神社の中をうろうろと歩き回っていると､人影が見えたような気がした｡
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