閉ジラレタ道

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急いで人影を追いかけるが、玉石がなかなかスムーズに走らせてくれない。 転びそうになりながら、何とか人影に声が届く距離まで近付くことができた。 「あの!すみません!ちょっといいですか!?」 人影がゆっくりと振り向く。 まだ幼さの残る少年だ。 金髪をちょんまげ結びにして、大きな緑の瞳にかからないようにしているみたいだな。 神社の人かな、不思議な服装をしているけど、何だか平安時代の貴族が着てる服みたいなの着てる。 でも袴とかズボンみたいなの穿いてないみたいだけど…。 「……うっ、穢れだ。俗世臭い…!近寄るな!」 「あの…この神社から出られないので、出方を教えてもらいたいと思って…」 「鳥居くぐれば?」 「鳥居をくぐっても、必ず鳥居の前に戻ってしまうんだ!何度やってもダメなんだよ!」 俺の訴えに少年は少し考え込むようなしぐさを見せて、小さく溜め息をついた。 「仕方ないな。菊水(キクスイ)ならこの神社に詳しいから訊いてみよう。はぐれない程度に離れてついてこい」 「う、うん…」 何か凄く嫌われているような…。 臭いとか言ってたから、もしかしてかなり汗臭いのかも!
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