閉ジラレタ道

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彼についていくと大きな門があった。 でも扉が閉まっているから、行き止まりってことだろうか? 「何で閉まってんだよ!誰か仕掛けを破りやがったな…!まさかお前じゃないだろうな?」 「えぇっ!?こんな所まできたことないよ!この神社も初めてきたのに!」 「くそっ!楼門が閉まってちゃ拝殿まで行けない!仕方ないな、オレとお前で楼門を開けよう。門の左右にぼんぼりがあるだろう。あれに火を灯せばいいんだけど、それには呪符…つまり文字が書いてある札が必要なんだ。とにかく探して持ってこい。オレも探してみるから、お前もしっかり探せよ。見付けたらここに札を持って待機な」 「分かった」 そう言って少年と二手に別れて、今までの道を引き返して札を探す。 見落とさないように、普段は意識しない所も丹念に調べる。 「ないなぁ…」 汗と喉の渇きを覚えて、鳥居に続く参道の脇にある手水舎まで走り、柄杓の使い方を見て、手と口を清めて、柄杓を置いて、再度札を探すことにした。 「あれ?こんな場所あったかな?」 不自然に菊の花が咲いている横道があって、俺の足はその横道をまっすぐ進んで行こうとする。 抗えない感じがする…。
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