サヨナラノ言ノ葉

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「教えてはおらぬが、勝手に我の言葉から名を知っただけだろう。我も見ず知らずの人間に、我らの真名を言うつもりはない」 「名前くらいで大袈裟な…」 「何言ってんだ!真名を知っている奴は、その真名を呼ぶことで、魂を支配するんだぞ!だから真名はよほどのことがない限り教えたり言ってはダメなんだよ!」 「言霊というものだ。言葉は人間の心や魂を揺さぶる力がある。真実の言葉は魂を揺り動かし、魂を操ることもできてしまうからな」 何かオカルトっぽくなってきたな。 神社にいる人って、みんなそんな感じのこと言わないと思うけど…何か特別の教えでもあるのかな? スタスタと歩く蓮香の先には、大きくて立派な建物がある。 よく見る神社の境内みたいな感じ。 「あれが拝殿だ。拝殿の中には履き物は脱いでから上がれよ。土足は御法度だからな」 こくりと頷くと、拝殿の中に入る為の階段があって、俺と比良坂は履き物を脱いだけど、比良坂のはややこしそうな履き物だな…。 蓮香は…あぁ、裸足だから履き物を脱いだ跡がなかったのか。 でも裸足なら足の裏が汚れて…床が全く汚れてない? 汚れてないならいいのかな?
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