真夜中のベランダで

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 僕たちの間に流れていたものが何だったのかよく分からないけれど、やっぱり何か特別なものだったと思う。同じ時間と空間にいた、たったそれだけが確かなものだったとしても。    僕の腕に引っかけられた、二人分のビールとおつまみが入ったコンビニのビニール袋みたいに、僕の心は宙ぶらりんにブラブラ揺れた。  友情より甘い。恋ではない、けれど恋に似た何か。恋よりもっと、遠いもの。だけどもっとずっと……。  そんな名前のない気持ちが、僕に残された。  もう一度、会いたい。  言葉になる気持ちは、ただこれだけ。    だから僕は、彼女のしゅっと伸びてくる手、ひらひら振られる手、肉まんを手渡してくれた彼女の手を忘れないでいよう。  いつかまた会えたら、彼女だってすぐにわかるように。  いつかまた、きっと会える気がするから。    
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