異世界への切符

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***** 窓口の中へと足を踏み入れると、中はスッキリした空間でハーブのような優しい香りがそっと漂ってきた。 駅員さんは奥から一つ椅子を持ってきて私の前に置くと、座ってと声をかけて飲み物の準備をし始めた。 言われた通りに椅子に腰掛けて、部屋の中をぐるりと見渡した。 現代の日本とは違って、パソコンやら電子掲示板は一切ない。 束ねられた書類は全てインクで書いてある。 言葉は通じているのに、何故か文字は読めなかった。 そうこう観察してるうちに、駅員さんが湯気を漂わせた紅茶を持ってきてくれた。 「そちらの世界の味の好みに合うか分からないけど、一応こちらじゃ王道の紅茶をどうぞ」 「ありがとうございます」 カップを受け取って香りを嗅ぐと、アールグレイに似たような香りが鼻をくすぐった。
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