僕はあなたを見つめ、あなたは僕を覗く

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「友達と駅前に新しいスイ―ツ店が出来たの、君が好きなフルーツをたくさん使ったスイ―ツ でね」 なるほど、それは初耳。 僕は彼女と同じくらいに甘党を自称している。 ここ最近そういった店を見て回ったりしてなかったし行ってみたいなぁ。 「あとね、君の通いつめてた書店が潰れちゃったの」 なんだって!それはなんとも信じがたい。 しかしこれに関しては僕が悪いかもしれないなぁ。 早く行きたいなぁと思ってたんだけど、行けず仕舞いで終わってしまった。 「あとね」 今日はまだまだ話題が豊富そうだ。 僕はいつでも聞き役であるけれど、一緒に居る時間がやっぱり楽しいんだよなぁ。 もう何年になるかなぁ。 忘れちゃったよ。 「君、いつも忘れちゃうけど、今日君の誕生日なんだよ?覚えてるかな」 それも忘れてた。 そりゃ毎日が楽しければ、誕生日くらい忘れちゃうよと答えた時があったけど彼女から 『君くらいじゃないかな?少なくとも私と一緒にいて楽しいって思うならまだしも誕生日まで忘れてしまうくらいなんて』 という言葉を頂戴した時はマジか、って思った。 意外と僕は熱中派だったんだなって。 「もう1年も経つよ」 1年かぁ。 時間というのは本当に残酷。 そして僕も残酷。 「まだ、戻らないんだね」 おやおや、また、何も泣く事はないじゃないか。     
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