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「ごめんね、僕はもう君とはいられない」
暑苦しい蝉の声が澄んだ青空に響くある夏の日。真っ白な部屋の一室で私は大事な人から別れを告げられた。
彼の手に、重ねるようにそっと手を置き彼の青い瞳を見つめ言う。
「……今までありがとう。さようなら」
ふっと、その綺麗な目を細めて儚い笑顔を浮かべ唇を動かし言葉を零す。
「……また、いつか会えるといいね」
「……うん」
そして彼は静かに息を引き取った。
今まで私の心の支えになってくれていた彼との永遠の別れ。
彼は穏やかに眠りについている。もう言葉を交わすことはなく、彼と過ごす時間は突然終わりを告げた。
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