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「…ねぇ鈴」
「んー?」
「未花のことなんだけど…あの子、たまに底なしの闇みたいな目をするわ、ねぇ、ちょっと怖い」
「…あの子は」
「…ーーあの子は、二重人格だって。受験のストレス…」
「ーーへぇ」
受験。本当にそう?
心の中で、声がする。
未花を〝ああ〟したのはーー私じゃない。
未花はいつからか、自分のことを私といったり、僕といったりしていた。それが何か関係あるのだろうか。
(ーー未花…)
もどりたい……
願う。
叶わない。
今までも…これからも、ずっと…
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