鈴の場合ー偽ー

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「あぁ、うん…行こうか」 「…ってゆ~かさぁ~」 「ムカつくんだけど、アンタのその顔。ずっと本読んで、薄気味悪いっつの」 「違うっしょ、鈴。“薄”じゃなくて、気持ち悪い」 「は、それな」 『…ごめん』 「聞こえねぇんだよ!!」 ガァン!!! 「テメーのせいで受験落ちて、こんなクソつまんねー学校行ってやってんだよ!!ふざけんな!面白い事でも無いとやってらんねー!!」 「…は、はい…」 きゅうっと握りしめられた小さな拳が視界に入るのも煩わしくて、ふいと目を背けた。 「ごめんなさい!どうしたら…」 「アァ!?永遠許さねー、せいぜい耐えるんだな」 「そうよ鈴、転校なんてしても追っかけて許さないわ!」 「…っく、ひっ……」 「うるせえええ!」 ダアン!! 「ひっ、い、痛あああ」 「うるせーんだよ!!なくな!!また殴られてーかそうか!!」 パアアアン、ガアン!! 殴った衝撃で飯田の体が床に落ちた。太い体型のせいで落ちる音がデカい。 ここぞとばかり、床の飯田を何回も踏み付けた。 「……ぅぅ…」 「…はー、すっきりした…カラオケルームっていいよな、デカい音でも分かんねぇ」 「そろそろ出よ。嗚呼飯田、金」 「…はい」 「違う」 「はい、プラスでウチらに二万」 「えっ…!?そんなお金ないよ?」 「は?」 今まで一歩引いて見てきた南乃花の顔色が変わった。 「ふざけんな…でもアタシは優しいから、明日まで待ってあげる。でも利子付きで…五万かな?」 「ごっ、五万…!?そんな、」 「あ~あ~うっせー。親の金パクるくらいしろよ。本当なんもできないな」 「いいから…『やれよ』」
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