鈴の場合ー偽ー

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一年前。 飯田こと飯田未花と、能田鈴は親友だった。 みぃちゃんりーちゃんと呼び合い、いつも一緒でつるんでいた。 私の方が頭が良かった。親に中学受験を勧められた時、飯田も誘って、一緒に受験する事になった、 飯田は勉強ができなかったから、私が教えてあげた。 みぃちゃんは私がいなきゃダメ。みぃちゃんには私が必要。 「りーちゃん、ここ教えて」 「りーちゃん、一緒に帰ろ」 「りーちゃん、だーいすき」 「みぃちゃん、これはこう」 「みぃちゃん、うん、帰ろ」 「みぃちゃん、だーいすき」 みぃちゃん、みぃちゃん、ずっと一緒にいようね。 半年後、受験を受けた。 全くわからない。 落ちた。 飯田だけが受かった。 隣に、一緒に喜ぶ私がいるはずだった。いるはずだ。いなきゃいけない。 だってみぃちゃんが他の子に取られちゃう。 ーーーその前に私のモノにしなきゃ。
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