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「ママ、どうしたの」少女は私と彼女の顔を交互に
見た。
「この人、ママの同級生なの。この中学校と高校の。サッカー部で毎日、遅くまでボールを追い・・」
「もしかして、ママ、おじさんのことが好きだったとか」私はドキドキしていた。いや、失恋したはず
「どうだったかなぁ?ママ、部活に一生懸命だったから」
「へぇ、じゃあ、おじさんがママのことが好きだったとか」少女が小悪魔に見えた。
「はっ?」私は動揺した。彼女に聞こえるのではと思うぐらいの違うドキドキが一気に襲ってきた
「ん~ママは美人さんだったからモテたよ。おじさんも憧れてたってとこかな。でも、おじさんは失恋したんだよ」私が鼓動を隠すように冗談めかして話すと少女より早く彼女が反応した
「はぁ?何それ。確か、失恋したのは私のはずよ」
「えっ、どういうことだよ」「えっ何、何?」私と少女は目を丸くした。三人三様に動揺してる中、一番冷静だったのは少女だったかもしれない。
一呼吸おいて、
「じゃあ、ママもおじさんも自分がフられたと思っていたの。どっちかが告ったとか」
「いや、そうじゃない。ママはおじさんの初恋の人。だから、ただ憧れて失恋したのさ」
「私だって、一生懸命ボールを追うあなたに憧れて・・・」
「何それ。二人ともバカみたいだね」といいながら少女は笑いだした。それにつられて私も彼女も顔がほころぶ。そんな和やかな中、私は思い切って想いを彼女に告げた
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