3 四月の約束

7/7
前へ
/108ページ
次へ
それからというもの、私は高校生活に慣れるのに精一杯で、結局なかなかマナと仲良くなるきっかけも生まれず。 (やたらテストがたくさんある学校でビビり気味) 甲斐も協力すると言ったくせに、幼馴染として紹介してくれるとか、コアなマナ情報を仕入れてくれるとか、そんな気の利いたことは一切なく。 私も私で、マナと同じ教室にいるだけで夢みたいな気持ちで、一番前の席に座るマナを後ろから眺めているだけで満たされてしまってた。 そしてマナに全く会えない夏休みがやってきて。 仕方なくミナミと一度、サッカー部の練習をこっそり見に行った。ミナミには、かっこいい先輩いないか探しに行くと嘘をついて。 グラウンドのフェンス越しに、サッカーボールを追いかける豆粒みたいに小さいマナを眺めていると、自分のやってることが中学の頃と何も変わっていないと気がついた。 そして、二学期が始まったら、誓いの時に決心した通り、絶対にマナと仲良くなるんだ! と気持ちを新たにしたのだった。 そんなこんなで、二学期になってすぐの席替えでこっそり席番号を仕組み(ごめんなさい)、マナの隣をゲットして、今に至るというわけです。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加