2.王子様は二次元がお好き?

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 だいたい、弘毅がなんの手伝いをしているのか、頼子は知らない。いつも朝食の後に、どこそこに行って来ると言い置いて、ふらっと自転車や車で出かけていく。危険だったり特殊だったりするもので、一回あたりの手取りが高い仕事なのか。  気になりつつも、いままで聞くきっかけがつかめなかった。 「手伝いは無償よ。と言っても、それで野菜を分けてもらったり、こっちも助けてもらったりするから、お互い様ってことなんだけど。年寄りが多いから、若い男手って重宝されるのよね」 「それじゃあ、仕事はしていないんですか? 単なるなんでも屋ってことですか」 「してるわよ、仕事。部屋で」 「部屋で?」 「便利な世の中になったわよねぇ。いまはインターネットで、仕事のやり取りができるんだから」  ほこらし気な多美子に、そうなんですかと頼子はつぶやく。 (ネットで仕事のやり取りをしているなんて、すごい) 「どんな仕事、しているんですか」 「絵を描いているわ」 「絵?」 「そう。イラストレーターっていうの? あの子、昔から絵を描くのが好きだったから」  そうだったと頼子は思い出す。当時、好きだったアニメのキャラクターを、たくさん弘毅に書いてもらった。いくつかは無くしてしまったが、あれらはいまでも部屋の片隅に保存してある。 (好きなこと、得意なことを仕事にしたなんて、すごいなぁ)     
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