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「いや、あの時食べた地球の食べ物の美味さが忘れられなくてな。また華に美味いものを教えて欲しいんだ」 「…………あ、そう。別にいいけど」 食い物目当てかい! 何やら期待して損したわ! ーーって、私は何期待してるんだ。このよく分からない天然宇宙人に。 「ーーだが、その前に」 「ん?」 するとQちゃんは何故か少し顔を赤くして、私から視線を逸らした。そして頬をポリポリかきながら、こう言った。 「着陸時にまたエネルギーを使ってしまった。だから、その……エネルギー補給を、頼む」 恐る恐る、といった彼の口調。ーー彼にとってキスはただのエネルギー補給。事務的な作業のはず。 しかし、彼の今の様子は明らかにエネルギー補給に対して、特別な感情を抱いている。そのように思えた。 ーーひょっとすると、私が1年前に最後にキスをした時に、恋人に愛を込めるような気持ちで行ったから、それで何かを感じてくれたのかもしれない。
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