月と太陽

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6月に入り、クラスの雰囲気もだいぶ落ち着いていてきた。 女子たちは仲良しグループを作り、男子もいくつかのタイプに分かれて固まっている。 僕はどこの輪にも入らず、ひとりでいた。 「那月、また本読んでんの?」 「うん」 「なに? 歴史?」 「そう。幕末の話だよ」 「難しそうなの読んでんな。俺には分かんねぇや」 ひとりで本を読んで過ごしている僕に気を遣って声をかけてくれる。 クラスのみんなも話すことはあまりないけど、陽人と幼馴染なのを知っている。 正直、イジメの心配をしていたけど、陽人のおかげがそうなることは無かった。 ただ、気にしているのは来週のキャンプ。 割り当てられた班でご飯を作ったり、レクリエーションをすることになっている。 陽人と同じ班ではあるけれど、他はあまり話したことの無い人ばかりだった。
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