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路地裏へと侵入したところ、そこは悪漢にとって丁度よい暗がりで、人気もない狭い通りだった。ブッチャーは指を「パチン」と鳴らし、この幸運を密かに喜んだ。その後、音も立てずにメイド服の女性に近づいた。
「なぁ。そこのお嬢さん。俺とイイことしないか?」
またも悪党らしい発言を、ニヤッとした顔でブッチャーは言い放った。その真後ろからの声にビクッと反応したメイド服の女性は、片目だけでブッチャーを見た。
そこでやっと状況を確認したのか、タッタッタと走り始めた。しかし、それを予想していたブッチャーは、なんなく女性に追いつき腕を取った。
「離して」
なんとか必死の形相で逃れようとする女性の抵抗は、筋肉質な体によって阻まれた。
「何もそんなに嫌がることねーじゃないか」
腕どころか腰までガッシリと掴まれてしまった女性は、もう身動きも困難な状態である。
これはもう危機的な状況だ。後は服を破られ、この悪漢のなすがままだろう。
こんなことがこのラクアンピースで起こっていいはずがない。ここで何者かの手助けがあっていいはずだ!
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