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それは18歳の春のことだった
遠い遠い親戚は、他人とどこが違うかと言われたら、私の顔を見つけたら会ったこともいつだったか忘れた人だったが、元気だったんだねと言って頭を撫でてくれた。
直子ちゃんは私の母の一番末の妹で、大きい声では言えないけど人嫌いで人付き合いが苦手系の人らしい。
だから、遠い遠い親戚でなく、とってもとっても近い親戚なのだけどいつあったかわからないほどの親戚だった。
私が高校を卒業して行きたい学校すべて落ちて黄昏ていたとき、母にどうするの、浪人するん?それともどこかはいれる短大に行くん?と、言われたとき
「私、旅に出る」
と、言ってしまった。
「どこに行くん?お金はあるん?」
母は言うけど
「どっちも・・・」
「わかったわ、じゃあここに行く?」
「どこどこ?」
母は一枚のメモを渡してくれた。
「ここは?」
「ずっと前に亡くなったじいちゃんばあちゃんの家」
「今は誰が住んでるの?」
「私の末の妹」
「誰?」
「覚えてないわね、ほとんど顔を出さない子だから、直子ちゃんと言うの」
「直子おばさん?」
「なんでも、病院で検査の仕事を長くしてたのだけど、作家になると言って実家に帰ってるの」
「いきなり理系から文系に?」
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