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このエリアには、第一から、第五まで、5つの学校が存在する。全てを合わせてセンターと呼ばれる。僕が第二だ。ちなみに、この5校にはなんの、偏りも差もない。
ただ、ここには、第0と呼ばれるものが存在する。入試で、なんかしらの成績を残したもの達が、10人選ばれる。この、芦土は、その中でもトップだったようだ。
入試は大まかに分けて全部で3つ。1つ目は、もちろん、学力試験。数理国社英だ。2つ目は、身体能力の検査だ。100メートル走や、1500メートル走、それに握力なんかのテストが行われる。3つ目は、芸術だ。
この学校は試験があるものの、落第者を出さない。なぜなら、国が作った初の人間育成機関だからだ。つまり、僕らはモルモットってわけだ。
僕は入試では、学力試験、合計点数0点。100メートルでは25秒。1500メートルでは15分と、ある意味好成績だった。間違いなく、ぶっちぎって最下位だろう。
どうして、最下位だと知ってるはずなのに僕に声をかけてくるのか。
「また近いうちに、会うよ。またね。」
「あー。じゃあな。」
入学式はそろそろ終わる。あの人もいなくなったし、戻るか…
担任からの細々とした説明は終わり、やっと帰れることになった。
ここセンターには、学生寮がある。1人一部屋。1LDKを貸切だ。ほとんどの者がここで過ごすだろう。ご飯も出る。政府は相当な金をつぎ込んでいる。
早く帰って寝たい。センター内を走る電車で一駅らしい。
やっと、逃げられたんだからな…
こんなに嬉しい夜は初めてだ。
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