赤い関西女

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赤い関西女

通学路途中にある神社に2人はいた。  こじんまりとしていて、地元の人でも知っている人が少なかった。ずっと昔は派手な朱色であったろう鳥居は、ところどころ塗料がはがれて黒っぽい赤褐色をしていた。細長い石畳の参道の先に、飾り気のない本殿がぽつんとたたずむ。枯葉は脇に避けられ背の高い雑草は抜かれていた。本堂も掃除が行き届いている形跡がある。ここには、ふらりと訪れる人の心を和ませる雰囲気があった。
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