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『やっと明日から夏休みだね』
終業式の日、ホームルームも終わりダラダラと女の子達だけで教室で他愛もない話しをしていた。
『あーっ!やっと夏休みって言うのに勉強!勉強のオンパレードじゃん!高校最後の夏なのに遊びまくりたいよー!』
クラスの中でも一際目立つ由美ちゃんが、嘆いていた。『私も専門学校にした方が良かったかなー。』机に顎を乗せて更に嘆く。
『何、弱気になってるのよー!先輩と同じ大学に行くって言って大学受験決めたのは、由美じゃん。』
千里ちゃんが少し呆れたように答えた。
『だってー、こんなにも大変だとは思わないじゃん。』
由美ちゃんにはひとつ年上の彼氏がいる。
もうすぐ付き合って1年になると確か言ってた気がする。
由美ちゃんは見た目は一見、派手だが恋愛に関しては割と一途だ。
先輩と同じ大学に行きたいと猛勉強している。
私は特別仲の良い友達やグループはなかったが、由美ちゃん達のグループとはちょくちょく一緒に居た。
由美ちゃん達は4人でいることが多かったが、たまに私も一緒にいることもあった。
『いやー、こんなことになるなら1年生の時からちゃんと勉強しとけば良かった。本当に思うよ。』
『まさか由美がこんなに勉強頑張るとはねー。千里もびっくりだよ。由美は恋愛しかしないと思ってたし』
千里ちゃんは冗談めいて言った。
周りの女の子も笑っていた。
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