放課後自殺恋愛

第二章

けたたましい電話の着信音で僕は目覚めた。まだ頭がぼーっとしていて意識が朦朧としている。昨日いつのまにか寝ていた様だ。

僕は枕の横に置いてあるiPhoneを手の感触だけを頼りに探して、画面を見た。
そこに名前はなく、どこか見覚えのある電話番号が表示されている。

「もしもし…… 」

僕はiPhoneを耳に当てそう言った。自分でもびっくりするくらい小さな声だった。寝起きだから仕方ない。相手も分かってくれるだろう。

「もしもし、茜だよ。 今日覚えているよね？ 」

電話の主は彼女だった。

「あぁ、覚えているよ」

忘れるはずが無いと心の中で思った。

「よかった。 じゃあ校門の前で。 待ってるよ」

その声を最後に彼女の声は点滅的な機械音に変わった。