第二章

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そんなに大きくも無い商店街だったが、地元の人に愛されていた。私のお父さんはこの街で生まれこの街で育ち、やがてこの商店街にある小さなパン屋を初代店主である私のお爺ちゃんから継いだのだ。 その後、商店街は細々とこの街で人々の役に立ち、歳を重ねていった。 私が産まれてすぐにこの商店街の会長を務めることとなったらしい。お父さんが会長になってからは商店街の景気も良くなり、大繁盛とまではいかないが、それなりに繁盛した。 慎ましい生活だったが、会長として頼られるお父さんを子供ながらに尊敬した。 そう、あの時までお父さんは誰からも慕われ、信頼される街のヒーローだった。
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